blackcrows anima

第一印象は悪かった

animaリリース前に乗った感覚が不思議で仕方ありませんでした。
緩斜面でインサイドエッヂを押し出そうとすると、引っかかるようでスライドするし、ターンしようとすると半テンポ遅れるような感じでした。
ホンダの創業者は自動車を10mも走らせれば特性がすぐに分かるという逸話を聞いたことがありますが、僕にはそんな短い距離では板の特性が理解できないようです。
キートップも仕上げ途中のようなデザイン。何もかもがヘンテコな板の印象でした。

テストする際は出来るだけ固いバーンがあるスキー場を選びます。
コンディションが安定しているエリアだと滑走時の感覚が、雪の状態に影響されにくいからです。
比較的近くに軽井沢プリンスホテルスキー場があるので、テストのほとんどを行っています。
もちろん、フランスでは更に本格的なテストを2シーズン前に行っていて、僕たちが滑っているのは国内のスキーヤーや販売店向けにどういったフィーリングを伝えればいいのか、どんなユーザーに適しているのかを見極めるためです。
ちなみに、板の滑走性はよほど変わった滑走面素材を使用しない限り、ストラクチャーとワックスで決まります。
テストの際、ストラクチャーは工場出荷時のまま、ワックスはあるメーカーにお願いして供給されているパラフィン主体のワックスを3コート3スクレイプしています。
当然の事ですが、ブラッシングもきっちり行います。

滑り出しから本当に不思議なバランスで、どう滑れば板のポテンシャルを引き出せるのか分からなくなって、数回リフトに乗った時に飽きてしまって、どうでもよくなってしまいました。
気持ちが緩んで、適当なバランスで流すように滑り出した途端、animaは動き出しました。
たわみやねじれなど一切意識せずに、大きく回ったり、壁に当てたり、クイックでショートターンしても板が自分から離れない。
スーパーナチュラルな感覚の板です。

低速で遊んじゃいけないよ。そうanimaがつぶやいているようでした。
今季僕がメインで乗る板はanimaです。
なかなか手が出しにくいモデルのようですが、パウダーメインでゲレンデの整地コースも滑りたい。ビッグマウンテンの感性のままどこでもチャレンジしたいという方に向いていると思います。
安比高原や夏油などいつも通っている山(スキー場)が大きなところの方にも向いています。

大きなターンが楽しいです。小回りはエッヂを外せる滑りができれば問題ありません。
仕様的にはダブルロッカーですが、足下にはしっかりクラシックキャンバーが残っていまので、操作性は抜群です。
トップとテールの不思議なフレックスが楽しいと思います。

anima

blackcrows skis anima



スペック

length 182.1cm
tip: 14.2cm
waist:11.5cm
tail:12.6cm
radiusu: 21m
weight:4.3kg/セット@182.1cm

技術仕様

セミキャップ(センターよりステップダウン)構造
ポプラ芯材
カーボン・ケブラー生地
Motto: I think you need a shower